第十二課 全人類のために命を捨てられたキリスト

指示
マルコの福音書の15章15節から16章の終わりまで読んで下さい。
このページの第十二課を読んで下さい。
必要なら、用語解説を引いてください。
第十二試験の質問に答えて下さい。

十字架につけられたキリスト
(15章15~47節)
ピラトとユダヤ人の指導者たちと群衆とがみなイエスを殺すために協力したのは、本当に残念なことです。15~19節で、兵士たちはキリストを嘲弄してしまいました。彼らはいばらの冠をイエスの頭にかぶらせて、葦の棒でたたいて後、イエスを十字架につける所に行かせました。イエスは非常に疲れておられたので、兵士たちはシモンという男にイエスの十字架を背負わせました。

キリストはふたりの強盗の間で十字架におかかりになりました。兵士たちはくじ引きでイエスの着物を分けました。人々は十字架に近づいて、イエスをあざけって侮辱しました。宗教の指導者たちは、「他人は救ったが、自分は救えない。」と言いました。

第六時(昼の十二時)になったとき、空が暗くなりました。この暗やみは三時間続きました。この三時間の間に、キリストは全人類の犠牲者として、すべての人の罪を自分ご自身に負い、全人類の罪に対する神の天罰を受けられました。この時間の間に、イエスは、「わが神、わが神。どうしてわたしをお見捨てになったのですか。」と叫ばれました。その後、間もなくイエスは大声で叫び、ご自分の霊を父にお渡しになりました。そばに立っているローマの兵士の百人隊長は、これを見て、「この方はまことに神の子であった。」と言いました(39節)。イエスの死後、アリマタヤのヨセフという金持ちの議員は、ピラトのところに行って、イエスの体の下げ渡しを願いました。彼はイエスの体を亜麻布に包んで、岩を掘って造った墓に納めました。

よみがえられたキリスト
(16章)
三日目の日曜日の朝早く、女たちはイエスの墓を見に行きました。墓にいる天使は彼女たちに言いました。「あなたがたは、十字架につけられたナザレ人イエスを捜しているのでしょう。あの方はよみがえられました。ここにはおられません。ご覧なさい。ここがあの方の納められた所です。」彼女たちは恐れてはいましたが、その天使のことばの意味が分かりました。神の御子息イエス・キリストは死の力を打ちこわされたのです。

よみがえられた主イエスは何度もご自分の弟子たちの前にお現われになりました。そして彼らにこう命じて言われました。「全世界に出て行き、すべての造られた者に福音を宣べ伝えなさい。」(15節)。それから、イエスは天に上げられて神の右の座に着かれました。

この勉強で、神の御子息イエスが神の意志を行うために、天から降って世に来られたことを学びました。キリストは私たちの罪のために十字架で死んで下さいました。三日目に死者の中からよみがえり、それから天国にお帰りになりました。多くの人たちはキリストを断わって、自分の罪の中に死んで、とこしえまで神から離れた永遠の苦しみに定められました。ほかの人たちはイエスを信じて、自分の罪が赦されて、神とともにとこしえまで住む永遠のいのちをいただきました。あなたは、キリストと言われているイエスをどのようにしますか。あなたの永遠の運命は、この質問の反応で決められるのです。


マルコによる福音書15章15節~16章

15:15 それで、ピラトは群衆のきげんをとろうと思い、バラバを釈放した。そして、イエスをむち打って後、十字架につけるようにと引き渡した。
15:16 兵士たちはイエスを、邸宅、すなわち総督官邸の中に連れて行き、全部隊を呼び集めた。
15:17 そしてイエスに紫の衣を着せ、いばらの冠を編んでかぶらせ、
15:18 それから、「ユダヤ人の王さま。ばんざい。」と叫んであいさつをし始めた。
15:19 また、葦の棒でイエスの頭をたたいたり、つばきをかけたり、ひざまずいて拝んだりしていた。
15:20 彼らはイエスを嘲弄したあげく、その紫の衣を脱がせて、もとの着物をイエスに着せた。それから、イエスを十字架につけるために連れ出した。
15:21 そこへ、アレキサンデルとルポスとの父で、シモンというクレネ人が、いなかから出て来て通りかかったので、彼らはイエスの十字架を、むりやりに彼に背負わせた。
15:22 そして、彼らはイエスをゴルゴタの場所(訳すと、「どくろ」の場所)へ連れて行った。
15:23 そして彼らは、没薬を混ぜたぶどう酒をイエスに与えようとしたが、イエスはお飲みにならなかった。
15:24 それから、彼らは、イエスを十字架につけた。そして、だれが何を取るかをくじ引きで決めたうえで、イエスの着物を分けた。
15:25 彼らがイエスを十字架につけたのは、午前九時であった。
15:26 イエスの罪状書きには、「ユダヤ人の王。」と書いてあった。
15:27 また彼らは、イエスとともにふたりの強盗を、ひとりは右に、ひとりは左に、十字架につけた。
15:28 こうして『彼は罪人とともに数えられた』とある聖書が実現したのである。
15:29 道を行く人々は、頭を振りながらイエスをののしって言った。「おお、神殿を打ちこわして三日で建てる人よ。
15:30 十字架から降りて来て、自分を救ってみろ。」
15:31 また、祭司長たちも同じように、律法学者たちといっしょになって、イエスをあざけって言った。「他人は救ったが、自分は救えない。
15:32 キリスト、イスラエルの王さま。たった今、十字架から降りてもらおうか。われわれは、それを見たら信じるから。」また、イエスといっしょに十字架につけられた者たちもイエスをののしった。
15:33 さて、十二時になったとき、全地が暗くなって、午後三時まで続いた。
15:34 そして、三時に、イエスは大声で、「エロイ、エロイ、ラマ、サバクタニ。」と叫ばれた。それは訳すと「わが神、わが神。どうしてわたしをお見捨てになったのですか。」という意味である。
15:35 そばに立っていた幾人かが、これを聞いて、「そら、エリヤを呼んでいる。」と言った。
15:36 すると、ひとりが走って行って、海綿に酸いぶどう酒を含ませ、それを葦の棒につけて、イエスに飲ませようとしながら言った。「エリヤがやって来て、彼を降ろすかどうか、私たちは見ることにしよう。」
15:37 それから、イエスは大声をあげて息を引き取られた。
15:38 神殿の幕が上から下まで真二つに裂けた。
15:39 イエスの正面に立っていた百人隊長は、イエスがこのように息を引き取られたのを見て、「この方はまことに神の子であった。」と言った。
15:40 また、遠くのほうから見ていた女たちもいた。その中にマグダラのマリヤと、小ヤコブとヨセの母マリヤと、またサロメもいた。
15:41 イエスがガリラヤにおられたとき、いつもつき従って仕えていた女たちである。このほかにも、イエスといっしょにエルサレムに上って来た女たちがたくさんいた。
15:42 すっかり夕方になった。その日は備えの日、すなわち安息日の前日であったので、
15:43 アリマタヤのヨセフは、思い切ってピラトのところに行き、イエスのからだの下げ渡しを願った。ヨセフは有力な議員であり、みずからも神の国を待ち望んでいた人であった。
15:44 ピラトは、イエスがもう死んだのかと驚いて、百人隊長を呼び出し、イエスがすでに死んでしまったかどうかを問いただした。
15:45 そして、百人隊長からそうと確かめてから、イエスのからだをヨセフに与えた。
15:46 そこで、ヨセフは亜麻布を買い、イエスを取り降ろしてその亜麻布に包み、岩を掘って造った墓に納めた。墓の入口には石をころがしかけておいた。
15:47 マグダラのマリヤとヨセの母マリヤとは、イエスの納められる所をよく見ていた。

16章

16:1 さて、安息日が終わったので、マグダラのマリヤとヤコブの母マリヤとサロメとは、イエスに油を塗りに行こうと思い、香料を買った。
16:2 そして、週の初めの日の早朝、日が上ったとき、墓に着いた。
16:3 彼女たちは、「墓の入口からあの石をころがしてくれる人が、だれかいるでしょうか。」とみなで話し合っていた。
16:4 ところが、目を上げて見ると、あれほど大きな石だったのに、その石がすでにころがしてあった。
16:5 それで、墓の中にはいったところ、真白な長い衣をまとった青年が右側にすわっているのが見えた。彼女たちは驚いた。
16:6 青年は言った。「驚いてはいけません。あなたがたは、十字架につけられたナザレ人イエスを捜しているのでしょう。あの方はよみがえられました。ここにはおられません。ご覧なさい。ここがあの方の納められた所です。
16:7 ですから行って、お弟子たちとペテロに、『イエスは、あなたがたより先にガリラヤへ行かれます。前に言われたとおり、そこでお会いできます。』とそう言いなさい。」
16:8 女たちは、墓を出て、そこから逃げ去った。すっかり震え上がって、気も転倒していたからである。そしてだれにも何も言わなかった。恐ろしかったからである。
16:9 さて、週の初めの日の朝早くによみがえったイエスは、まずマグダラのマリヤにご自分を現わされた。イエスは、以前に、この女から七つの悪霊を追い出されたのであった。
16:10 マリヤはイエスといっしょにいた人たちが嘆き悲しんで泣いているところに行き、そのことを知らせた。
16:11 ところが、彼らは、イエスが生きておられ、お姿をよく見た、と聞いても、それを信じようとはしなかった。
16:12 その後、彼らのうちのふたりがいなかのほうへ歩いていたおりに、イエスは別の姿でご自分を現わされた。
16:13 そこでこのふたりも、残りの人たちのところへ行ってこれを知らせたが、彼らはふたりの話も信じなかった。
16:14 しかしそれから後になって、イエスは、その十一人が食卓に着いているところに現われて、彼らの不信仰とかたくなな心をお責めになった。それは、彼らが、よみがえられたイエスを見た人たちの言うところを信じなかったからである。
16:15 それから、イエスは彼らにこう言われた。「全世界に出て行き、すべての造られた者に、福音を宣べ伝えなさい。
16:16 信じてバプテスマを受ける者は、救われます。しかし、信じない者は罪に定められます。
16:17 信じる人々には次のようなしるしが伴います。すなわち、わたしの名によって悪霊を追い出し、新しいことばを語り、
16:18 蛇をもつかみ、たとい毒を飲んでも決して害を受けず、また、病人に手を置けば病人はいやされます。」
16:19 主イエスは、彼らにこう話されて後、天に上げられて神の右の座に着かれた。
16:20 そこで、彼らは出て行って、至る所で福音を宣べ伝えた。主は彼らとともに働き、みことばに伴うしるしをもって、みことばを確かなものとされた。アーメン。

第十二課の試験